Japanese Edition
History
大鏡
Japanese BooksWhale Edition by Traditional Text
藤原氏の権力史を、鏡物の語りと老翁の回想で描く平安時代の歴史物語。
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Book introduction
大鏡
『大鏡』は、藤原道長を中心とする平安貴族社会の政治と人物像を語る歴史物語です。老翁たちの対話という形式を通じ、摂関政治、宮廷逸話、家系、栄華と権力の移り変わりを物語的に描き出します。
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『大鏡』は平安時代後期に成立した歴史物語であり、近代著作権の保護期間を大きく超える古典本文です。このため本版の日本語本文は公有領域の古典資料に基づきます。
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大鏡
Traditional Text
さいつころ雲林院の菩提講にまうでゝ侍りしかば、例の人よりはこよなく年老いうたてげなる翁二人おんなときあひて同じところにゐぬめり。哀に同じやうなるものゝさまかなと見侍りしに、これらうち笑ひ見かはしていふやう「「年ごろむかしの人に對面していかで世の中の見聞く事どもをきこえあはせむ、この唯今の入道殿下の御有樣をも申しあはせばやとおもひしに、あはれに嬉しくも逢ひ申したるかな。今ぞ心やすくよみぢもまかるべき。おぼしき事いはぬはげにぞ腹ふくるゝ心ちしける。かゝればこそ昔の人は物いはまほしくなれば穴を堀りてはいひいれ侍りけめとおぼえ侍る。返す返す嬉しく對面したるかな。さてもいくつにかなり給ひぬる」」といへば、今一人の翁、「「いくつといふことも更に覺え侍らず。たゞしおのれは故太政のおとゞ貞信公の、藏人の少將と申しゝ折の小舍人わらは大犬丸ぞかし。ぬしはその御時の母の后の宮の御方のめしつかひ、かう名のおほやけのよつぎとぞいひ侍りしかしな。さればぬしのみとしはおのれにはこよなくまさり奉らむかし。みづからはこわらはにてありし時、ぬしは廿五六ばかりのをのこにてこそはいませ
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しか」」といふめれば、世繼「「しかしか、さ侍りしことなり。さてもぬしのみ名はいかにぞや」」といふめれば、「「故太政大臣殿にて元服仕うまつりし時、きんぢが姓は何ぞと仰せられしかば夏山となむ申すと申しゝを、やがてしげきとなむつけさせ給へりし」」などいふに、いとあさましくなりぬ。誰も少しよろしきものどもは見おこせゐよりなどしけり。年二十ばかりなるなまさぶらひめきたるものゝ、せちに近く寄りて、「「いでいと興ある事いふらうざたちよな。更にこそ信ぜられね」」といへば、翁二人見かはしてあざわらふ。繁樹となのるがかたざまに見やりて、「「ぬしはいくつといふ事覺えずといふめり。この翁どもは覺え給ふや」」と問へば「「更にもあらず。一百五十歲にぞ今年はなり侍りぬる。されば繁樹は百四十には及びさふらふらめ
Preview chapter〈如元〉Preview
」」とやさしく申すなり。「「おのれは水の尾の御門の坐します年のむつきのもちの日生れて侍れば十三代にあひ奉りて侍るなり。けしうはさふらはぬ年なりな。まことゝ人おぼさじ。されど父がなまがくしやうにつかはれ奉りて、げらうなれどもみやこほとりといふ事も侍れば目
Table of contents
Inside this edition
- 01Full text
- 02〈如元〉
- 03〈如元〉
- 04〈如元〉
- 05を見たまへて
- 06五十五代
- 07五十六代
- 08〈皇太后宮〉
- 09〈天安二年つちのえ〉
- 10〈天安以下四十二文字イ無衍歟〉
- 11五十七代
- 12五十八代
- 13五十九代
- 14〈如元〉
- 15六十代
- 16〈此人は勸修寺の氏のはしめ〉
- 17六十一代
- 18〈第歟〉
- 19「松もおひまたもかげさ
- 20〈こけむイ〉
- 21六十二代
- 22〈御めのとも〉
- 23〈五字衍歟〉
- 24六十三代
- 25六十四代
- 26六十五代
- 27六十六代
- 28六十七代
- 29〈か脫歟〉
- 30六十八代
- 31〈或本十人〉
- 32〈をぢとも〉
- 33大鏡卷之二
- 34臣家
- 35冬嗣大臣
- 36〈五條后のてゝなり〉
- 37良房大臣
- 38良相大臣
- 39長良中納言
- 40〈二條后のてゝなり〉
- 41昭宣公
- 42〈基經〉
- 43時平大臣
- 44〈基經太郞〉
- 45左大臣冬嗣
- 46太政大臣良房
- 47右大臣良相
- 48贈太政大臣權中納言從二位左兵衞督長良
- 49太政大臣基經
- 50又かんつけの峰雄といひし人のよみたる、
- 51左大臣時平
- 52〈なイ〉
- 53わするな
- 54〈れそイ〉
- 55「流れゆくわれはみくづとなりはてぬ
- 56〈ぬともイ〉
- 57おぼされて、
- 58「君がすむ宿の梢を
- 59〈のイ〉
- 60ゆくゆくと
- 61〈もイ〉
- 62かくるゝまでも顧みしかな
- 63〈はやイ〉
- 64「驛長無
- 65㆑
- 66驚時變改
- 67又、雲の浮きてたゞよふを御覽じても、
- 68〈ぞイ〉
- 69尙賴まれぬ
- 70〈るゝイ〉
- 71「都府樓纔看
- 72㆓
- 73瓦色
- 74㆒
- 75觀音寺只聽
- 76㆓
- 77鐘聲
- 78㆒
- 79これは文集白居易、遺愛寺鐘欹
- 80㆑
- 81枕聽、香爐峰雪撥
- 82㆑
- 83簾看といふ詩にも、まさ
- 84〈り脫歟〉
- 85〈如元〉
- 86「去年今夜侍
- 87㆓
- 88淸凉
- 89㆒
- 90秋思詩篇獨斷
- 91㆑
- 92膓
- 93恩賜御衣今在
- 94㆑
- 95此
- 96捧持每日拜
- 97㆓
- 98餘香
- 99㆒
- 100御返事、大輔、
- 101大鏡卷之三
- 102枇杷左大臣
- 103仲平 基經次郞
- 104貞信公
- 105忠平 基經四郞
- 106淸愼公
- 107實賴
- 108廉義公
- 109賴忠
- 110小一條左大臣
- 111師尹
- 112九條殿
- 113師輔
- 114左大臣仲平
- 115太政大臣忠平
- 116貞信公
- 117〈こ脫歟〉
- 118太政大臣實賴
- 119〈如元〉
- 120〈ためみつの〉
- 121こ
- 122〈顯實宰相のおほち〉
- 123太政大臣賴忠
- 124左大臣師尹
- 125御かへし、女御、
- 126〈はイ〉
- 127〈いきふとこそかしやイ有〉
- 128〈な脫歟〉
- 129〈如元〉
- 130大鏡卷之四
- 131右大臣
- 132師輔
- 133關白次第
- 134世續名
- 135右大臣師輔
- 136九條殿
- 137圓融院
- 138爲平
- 139御門にゐさせたまひなば西宮殿の
- 140高明
- 141爲平
- 142御かへし、
- 143〈五人の中三人は關白攝政〉
- 144遠度
- 145、又大藏卿
- 146遠量
- 147〈のきイ〉
- 148御かへし、
- 149〈ぐイ無〉
- 150關白次第
- 151良房
- 152忠仁公
- 153基經
- 154昭宣公
- 155忠平
- 156貞信公
- 157實賴
- 158淸愼公
- 159伊尹
- 160謙德公
- 161兼通
- 162忠義公
- 163賴忠
- 164廉義公三條殿
- 165兼家
- 166大入道殿東三條殿法名如實
- 167道隆
- 168中關白殿
- 169道兼
- 170粟田殿七日關白
- 171道長
- 172御堂入道殿法名行觀
- 173賴通
- 174大宇治殿
- 175敎通
- 176大二條殿
- 177師實
- 178京極殿
- 179師通
- 180後二條殿
- 181忠實
- 182知足院殿法名圓理
- 183忠通
- 184法性寺殿
- 185基實
- 186號中殿
- 187基房
- 188號松殿
- 189基通
- 190號近衞殿
- 191師家
- 192號松殿小殿下
- 193兼實
- 194號九條殿
- 195世續名
- 196一 月の宴
- 197二 花山たづぬる中納言
- 198三 よろこびの卷
- 199四 見はてぬゆめ
- 200五 浦々のわかれ
- 201六 かゞやく藤壺
- 202七 とりべのゝ卷
- 203八 はつはなの卷
- 204九 いはかげの卷
- 205十 ひかげかつら
- 206十一 つぼみのはな
- 207十二 玉のむらぎく
- 208十三 ゆふしでの卷
- 209十四 あさみどり
- 210十五 うたがひの卷
- 211十六 もとのしづく
- 212十七 おんがくの卷
- 213十八 玉の臺の卷
- 214十九 御もぎのまき
- 215二十 御賀のまき
- 216廿一 のちくいの大將
- 217廿二 鳥のまひ
- 218廿三 駒くらべの行幸の卷
- 219廿四 わかばの卷
- 220廿五 たまやの卷
- 221廿六 そこのゆめの卷
- 222廿七 衣のたまのまき
- 223廿八 わかみづのまき
- 224廿九 たまのかざり
- 225三十 つるのはやし
- 226大鏡卷之五
- 227攝政
- 228謙德公
- 229伊尹
- 230攝政
- 231忠義公
- 232兼通
- 233恆德公
- 234爲光
- 235仁義公
- 236公季
- 237攝政
- 238大入道殿
- 239兼家
- 240已上九條殿息
- 241太政大臣伊尹のおとゞ
- 242御かへし、
- 243「しかばかり契りしもの
- 244〈ことイ〉
- 245をわたり川かへるほどには忘るべしやは」
- 246などうちよみ給ひて、又誦し給ひける、
- 247「昔契蓬萊宮裏月
- 248今遊極樂界中風」
- 249御かへし、
- 250〈如元〉
- 251太政大臣兼通のおとゞ
- 252〈ひイ〉
- 253〈如元〉
- 254太政大臣爲光のおとゞ
- 255〈なイ〉
- 256〈ひ歟〉
- 257太政大臣公季
- 258太政大臣兼家のおとゞ
- 259いと興ありとおぼしめして、
- 260大鏡卷之六
- 261中關白
- 262內大臣
- 263道隆
- 264粟田關白
- 265右大臣
- 266道兼
- 267東二條殿息
- 268內大臣道隆
- 269〈如元〉
- 270〈殿衍歟〉
- 271右大臣道兼
- 272〈如元〉
- 273大鏡卷之七
- 274太政大臣
- 275道長
- 276太政大臣道長
- 277〈如元〉
- 278〈如元〉
- 279〈如元〉
- 280御かへし、
- 281とせの北の政所の御賀によませ給へりしは、
- 282「あかざり
- 283〈りなれイ〉
- 284〈つイ〉
- 285〈さ脫歟〉
- 286幷に
- 287幷に
- 288一 太政大臣兼家のおとゞは、皇太后宮詮子
- 289幷に
- 290贈后の御父、一條天皇
- 291幷に
- 292一 太政大臣道長のおとゞは太皇太后宮彰子
- 293上東門院
- 294、皇太后宮
- 295姸子
- 296、中宮
- 297威子
- 298、尙侍
- 299嬉子
- 300、春宮の御息所の御父、當代
- 301幷に
- 302〈如元〉
- 303〈うイ無〉
- 304大鏡卷之八
- 305賀茂臨時祭始事
- 306八幡臨時祭始事
- 307九月九日節止事
- 308法皇の御かへし、
- 309のおとゞのあそばしたりし和歌、
- 310きさいの宮の御かへし、
- 311〈九字イ無〉
- 312りとおぼ
- 313〈びイ〉
- 314〈りイ〉
- 315五月ばかり郭公をきこしめして、女院、
- 316御かへし、
- 317〈如元〉
- 318御かへし、
- 319大鏡
- 320終
- 321大鏡
- 322大鏡卷之一
- 323五十五 文德天皇
- 324五十六 淸和天皇
- 325五十七 陽成院
- 326五十八 光孝天皇
- 327五十九 宇多院
- 328六十 醍醐天皇
- 329六十一 朱雀院
- 330六十二 村上天皇
- 331六十三 冷泉院
- 332六十四 圓融院
- 333六十五 花山院
- 334六十六 一條院
- 335六十七 三條院
- 336六十八 後一條院
- 337五十八代
- 338六十六代
- 339六十七代
- 340六十八代
- 341大鏡卷之二
- 342臣家
- 343冬嗣大臣 〈五條后のてゝなり〉
- 344良房大臣
- 345良相大臣
- 346長良中納言 〈二條后のてゝなり〉
- 347昭宣公 〈基經〉
- 348時平大臣 〈基經太郞〉
- 349左大臣冬嗣
- 350太政大臣良房
- 351右大臣良相
- 352贈太政大臣權中納言從二位左兵衞督長良
- 353太政大臣基經
- 354左大臣時平
- 355「驛長無 ㆑ 驚時變改
- 356又、雲の浮きてたゞよふを御覽じても、
- 357「都府樓纔看 ㆓ 瓦色 ㆒
- 358「去年今夜侍 ㆓ 淸凉 ㆒
- 359秋思詩篇獨斷 ㆑ 膓
- 360恩賜御衣今在 ㆑ 此
- 361御返事、大輔、
- 362大鏡卷之三
- 363枇杷左大臣 仲平 基經次郞
- 364貞信公 忠平 基經四郞
- 365淸愼公 實賴
- 366廉義公 賴忠
- 367小一條左大臣 師尹
- 368九條殿 師輔
- 369左大臣仲平
- 370太政大臣忠平 貞信公
- 371太政大臣賴忠
- 372左大臣師尹
- 373御かへし、女御、
- 374大鏡卷之四
- 375右大臣 師輔
- 376關白次第
- 377世續名
- 378右大臣師輔 九條殿
- 379御かへし、
- 380關白次第
- 381良房 忠仁公
- 382基經 昭宣公
- 383忠平 貞信公
- 384實賴 淸愼公
- 385伊尹 謙德公
- 386兼通 忠義公
- 387賴忠 廉義公三條殿
- 388兼家 大入道殿東三條殿法名如實
- 389道隆 中關白殿
- 390道兼 粟田殿七日關白
- 391道長 御堂入道殿法名行觀
- 392賴通 大宇治殿
- 393敎通 大二條殿
- 394師實 京極殿
- 395師通 後二條殿
- 396忠實 知足院殿法名圓理
- 397忠通 法性寺殿
- 398基實 號中殿
- 399基房 號松殿
- 400基通 號近衞殿
- 401師家 號松殿小殿下
- 402兼實 號九條殿
- 403世續名
- 404一 月の宴
- 405二 花山たづぬる中納言
- 406三 よろこびの卷
- 407四 見はてぬゆめ
- 408五 浦々のわかれ
- 409六 かゞやく藤壺
- 410七 とりべのゝ卷
- 411八 はつはなの卷
- 412九 いはかげの卷
- 413十 ひかげかつら
- 414十一 つぼみのはな
- 415十二 玉のむらぎく
- 416十三 ゆふしでの卷
- 417十四 あさみどり
- 418十五 うたがひの卷
- 419十六 もとのしづく
- 420十七 おんがくの卷
- 421十八 玉の臺の卷
- 422十九 御もぎのまき
- 423二十 御賀のまき
- 424廿一 のちくいの大將
- 425廿二 鳥のまひ
- 426廿三 駒くらべの行幸の卷
- 427廿四 わかばの卷
- 428廿五 たまやの卷
- 429廿六 そこのゆめの卷
- 430廿七 衣のたまのまき
- 431廿八 わかみづのまき
- 432廿九 たまのかざり
- 433三十 つるのはやし
- 434大鏡卷之五
- 435攝政 謙德公 伊尹
- 436攝政 忠義公 兼通
- 437恆德公 爲光
- 438仁義公 公季
- 439攝政 大入道殿 兼家
- 440已上九條殿息
- 441太政大臣伊尹のおとゞ
- 442御かへし、
- 443などうちよみ給ひて、又誦し給ひける、
- 444「昔契蓬萊宮裏月
- 445今遊極樂界中風」
- 446御かへし、
- 447太政大臣兼通のおとゞ
- 448太政大臣爲光のおとゞ
- 449太政大臣公季
- 450太政大臣兼家のおとゞ
- 451いと興ありとおぼしめして、
- 452大鏡卷之六
- 453中關白 內大臣 道隆
- 454粟田關白 右大臣 道兼
- 455東二條殿息
- 456右大臣道兼
- 457大鏡卷之七
- 458太政大臣 道長
- 459太政大臣道長
- 460御かへし、
- 461大鏡卷之八
- 462賀茂臨時祭始事
- 463八幡臨時祭始事
- 464九月九日節止事
- 465法皇の御かへし、
- 466きさいの宮の御かへし、
- 467五月ばかり郭公をきこしめして、女院、
- 468御かへし、
- 469御かへし、
- 470大鏡 終
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